首の痛み 市販薬の効果を徹底解説！あなたに合う選び方

「首の痛みがつらくて、集中できない」「寝違えや肩こりで首が回らない」といった悩みを抱えていませんか？首の痛みは、日々の生活の質を大きく低下させてしまいます。この記事では、そんなつらい首の痛みの原因から、市販薬でできること、そして多種多様な市販薬の中からあなたにぴったりの一つを見つけるための選び方まで、分かりやすく解説します。内服薬から湿布、塗り薬まで、それぞれの市販薬が持つ効果や特徴、正しい使い方、さらには使用上の注意点までを網羅的にご紹介することで、あなたがご自身の症状に合った市販薬を賢く選び、つらい首の痛みを和らげ、快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。

1. 首の痛みに悩むあなたへ 市販薬でできること

首の痛みは、多くの方が経験する不快な症状の一つです。朝起きた時の寝違えや、長時間のデスクワークによる肩こりからくる首の重だるさなど、その原因や症状はさまざまです。日常生活に支障をきたし、集中力の低下や不眠につながることも少なくありません。

このような首の痛みに対して、市販薬は手軽に痛みを和らげる選択肢となります。薬局やドラッグストアで気軽に購入できる市販薬は、急な痛みに対応したり、病院に行く時間がない時に症状を一時的に軽減したりするのに役立ちます。

市販薬で期待できる主な効果は、痛みを抑えること、炎症を鎮めること、そして筋肉の緊張を和らげることです。これらの効果により、つらい首の症状を一時的に緩和し、日常生活の質を改善する手助けをしてくれます。しかし、市販薬はあくまで対症療法であり、痛みの根本的な原因を解決するものではありません。

この章では、市販薬が首の痛みに対してどのような役割を果たせるのか、その可能性と限界について詳しく解説します。ご自身の症状と市販薬の特性を理解し、適切に活用することで、首の痛みに悩む日々を少しでも楽に過ごしていただけるよう、情報を提供してまいります。

2. 首の痛みの原因を知ろう

首の痛みは、日常生活でよく経験する症状の一つですが、その原因は多岐にわたります。原因を正しく理解することは、適切な市販薬を選び、効果的な対処を行う上で非常に重要です。ここでは、首の痛みを引き起こす主な原因について詳しく解説します。

2.1 寝違えや肩こりによる首の痛み

首の痛みで最も一般的なのが、寝違えや肩こりによるものです。これらの痛みは、主に筋肉や靭帯といった軟部組織に原因があります。

2.1.1 寝違えの主な原因と症状

寝違えは、不自然な姿勢での睡眠や、急な首の動きによって、首や肩周りの筋肉や靭帯が一時的に炎症を起こしたり、軽度の損傷を受けたりすることで生じます。朝起きたときに首が動かせない、特定の方向に回すと強い痛みが走るといった急性の症状が特徴です。

多くの場合、数日から1週間程度で自然に痛みが和らぎますが、無理に動かしたり揉んだりすると悪化することがあります。

2.1.2 肩こりの主な原因と症状

肩こりは、首から肩にかけての筋肉が持続的に緊張し、血行不良や疲労物質の蓄積によって引き起こされる慢性的な症状です。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、姿勢の悪さ、運動不足、精神的なストレス、体の冷えなどが主な原因となります。

首や肩の重だるさ、張り、痛みに加え、頭痛や吐き気を伴うこともあります。日常生活に深く根ざした原因が多く、継続的なケアが重要になります。

2.1.3 寝違えと肩こりの違い

両者とも首や肩の痛みを伴いますが、その性質には違いがあります。

項目	寝違え	肩こり
発症	急性的（朝起きた時など）	慢性的（徐々に悪化）
主な原因	不自然な姿勢での睡眠、急な動作	長時間同じ姿勢、ストレス、冷え、運動不足
症状の特徴	特定の動作での強い痛み、首の可動域制限	首から肩の重だるさ、張り、鈍い痛み
痛みの期間	数日〜1週間程度	数週間〜数ヶ月、またはそれ以上

2.2 神経からくる首の痛み

首の痛みの中には、頸椎（首の骨）から出る神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで生じるものがあります。これは、単なる筋肉の疲労とは異なり、より複雑な原因が関わっている可能性があります。

主な原因としては、加齢による椎間板の変性や、骨の変形（骨棘）などが挙げられます。これらの変化によって、神経が通る道が狭くなり、神経が刺激されることで痛みやしびれが発生します。

2.2.1 神経が圧迫されることで起こる症状

神経からくる首の痛みは、首だけでなく、腕や手にかけてしびれや痛みが広がる（放散痛）のが特徴です。また、電気が走るような鋭い痛みや、指先の感覚が鈍くなる、力が入りにくいといった脱力感を伴うこともあります。

咳やくしゃみ、首を特定の方向に傾ける動作で症状が悪化する場合もあります。このような症状が見られる場合は、単なる筋肉の痛みとは異なるため、注意が必要です。

2.3 注意すべき首の痛みとその症状

多くの首の痛みは市販薬で対処可能ですが、中には専門的な判断が必要な、より深刻な病気が隠れている場合があります。以下のような症状が見られる場合は、市販薬での自己判断を避け、速やかに適切な対処を検討することが重要です。

2.3.1 速やかな対処が必要な首の症状

症状の項目	具体的な状態
強い痛みや急激な悪化	耐えられないほどの激しい痛み、または痛みが急激に強くなる場合。
手足のしびれや麻痺	首の痛みとともに、手足にしびれや脱力感、麻痺が広がる場合。箸が使いにくい、歩きにくいなどの症状。
全身症状の合併	発熱、頭痛、めまい、吐き気、意識の混濁などを伴う場合。
外傷後の痛み	転倒や事故など、首に強い衝撃を受けた後に痛みが生じた場合。
痛みの持続	市販薬を使用しても痛みが一向に改善しない、または悪化していく場合。
その他	ろれつが回らない、飲み込みにくい、急な体重減少など、首の痛み以外の異常な症状が見られる場合。

これらの症状は、感染症や自己免疫疾患、神経系の問題など、様々な病気のサインである可能性があります。自己判断で市販薬を使い続けることは、症状の悪化や病気の発見の遅れにつながることもありますので、十分にご注意ください。

3. 首の痛みに効く市販薬の種類と効果を解説

首の痛みに対応する市販薬は、大きく分けて体の内側から作用する「内服薬（飲み薬）」と、患部に直接塗ったり貼ったりする「外用薬（湿布や塗り薬）」の2種類があります。それぞれの薬には、異なる成分が配合されており、痛みの種類や原因に応じて適切なものを選ぶことが大切です。ここでは、各薬の種類と、含まれる成分がどのような効果をもたらすのかを詳しく解説いたします。

3.1 内服薬 飲み薬の効果と特徴

首の痛みに悩む方にとって、内服薬は体の内側から痛みにアプローチする強力な味方です。主に痛みを和らげる鎮痛成分、筋肉の緊張をほぐす成分、そして血行を促進する成分が配合されており、症状に応じて使い分けができます。それぞれの成分がどのように作用し、どのような首の痛みに適しているのかを詳しく見ていきましょう。

3.1.1 鎮痛成分で痛みを抑える

首の痛みを和らげる内服薬の主成分となるのが鎮痛成分です。これらの成分は、痛みの原因となる物質の生成を抑えたり、痛みの伝達をブロックしたりすることで、つらい痛みを軽減します。市販薬でよく使われる主な鎮痛成分には、ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどがあります。

`` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` ``

主な鎮痛成分	特徴と効果	注意点
ロキソプロフェン	炎症を抑えながら痛みを強力に鎮める効果が期待できます。速効性があり、急な痛みにも対応しやすいです。	胃への負担が比較的大きい場合があります。空腹時の服用は避け、胃腸が弱い方は注意が必要です。
イブプロフェン	ロキソプロフェンと同様に炎症と痛みを抑える効果があります。比較的幅広い痛みに用いられ、胃への負担はロキソプロフェンよりやや少ないとされています。	胃に負担をかける可能性があるため、食後の服用が推奨されます。
アセトアミノフェン	脳に作用して痛みの感覚を和らげる成分で、炎症を抑える作用はほとんどありません。胃への負担が少ないため、胃が弱い方でも比較的安心して使用できます。	過剰摂取は肝臓に負担をかける可能性があります。他の薬との併用には注意が必要です。

これらの成分は、寝違えによる急性の痛みや、肩こりからくる首の鈍い痛みなど、様々なタイプの痛みに対応します。ご自身の体質や痛みの種類に合わせて選ぶことが大切です。

3.1.2 筋肉の緊張を和らげる成分

首の痛みの多くは、筋肉の過度な緊張が原因で起こります。特に肩こりや長時間の悪い姿勢による首の痛みには、筋肉の緊張を和らげる成分が配合された内服薬が効果的です。代表的な成分としては、メトカルバモールなどが挙げられます。

これらの成分は、筋肉の過剰な収縮を抑え、こわばった筋肉をリラックスさせることで、痛みを軽減します。筋肉の緊張がほぐれることで、血行も改善されやすくなり、痛みの悪循環を断ち切る助けとなります。ただし、眠気を催すことがあるため、服用後は車の運転や危険な作業は避けるようにしてください。

3.1.3 血行を促進する成分

慢性的な首の痛みや肩こりには、血行不良が深く関わっていることがあります。血行が滞ると、筋肉に疲労物質が蓄積しやすくなり、痛みがさらに悪化することが考えられます。市販の内服薬には、このような血行不良を改善し、痛みを和らげる成分が配合されているものもあります。

例えば、ビタミンE（トコフェロール酢酸エステル）やニコチン酸アミドなどは、末梢の血行を改善し、筋肉への酸素や栄養の供給を促進します。これにより、疲労物質の排出が促され、筋肉の柔軟性が回復し、痛みの緩和につながります。特に、冷えを伴う首の痛みや、だるさを感じるような慢性的な症状におすすめです。

3.2 外用薬 湿布や塗り薬の効果と特徴

首の痛みに対して、直接患部に作用させる外用薬も非常に有効な選択肢です。湿布や塗り薬は、内服薬と異なり、全身への影響が少ないため、特定の部位の痛みに集中してアプローチしたい場合に適しています。ここでは、主な外用薬の種類とその効果について解説します。

3.2.1 消炎鎮痛成分を含む湿布やゲル

湿布やゲルタイプの外用薬には、痛みの原因となる炎症を抑え、痛みを和らげる消炎鎮痛成分が配合されています。これらの成分は皮膚から直接患部に浸透し、炎症部位に作用します。代表的な成分としては、フェルビナク、ロキソプロフェン、インドメタシンなどがあります。

湿布は広範囲に貼ることができ、持続的に成分を供給することができます。一方、ゲルやクリームは、関節の動きが多い首周りにも塗りやすく、べたつきが少ないという特徴があります。急な寝違えや、筋肉の炎症による痛みに対して、これらの外用薬は効果的な選択肢となります。

成分によっては光線過敏症（貼った部分が日光に当たるとかぶれる）を引き起こす可能性があるため、使用上の注意をよく確認し、日焼けに注意することも大切です。

3.2.2 温感タイプと冷感タイプの違い

湿布や塗り薬には、温感タイプと冷感タイプがあり、それぞれの特徴と適した症状が異なります。

`` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` `` ``

タイプ	特徴	適した首の痛み
冷感タイプ	メントールなどの成分で患部を冷やし、炎症を抑えたり、痛みの感覚を麻痺させたりする効果があります。スーッとした清涼感があります。	急性の首の痛み、炎症や熱感を伴う寝違え、腫れがある場合に適しています。スポーツ後のアイシングのようなイメージです。
温感タイプ	トウガラシ成分（カプサイシン）などで血行を促進し、患部を温めることで、筋肉の緊張を和らげ、痛みを緩和します。じんわりとした温かさを感じます。	慢性的な首の痛み、肩こりによる首の痛み、血行不良が原因の鈍い痛みに適しています。筋肉のこわばりや冷えを感じる場合におすすめです。

ご自身の首の痛みが「熱を持っているような痛み」なのか、「冷えて固まっているような痛み」なのかを判断し、適切なタイプを選ぶことが重要です。

3.2.3 血行促進成分を含む塗り薬

慢性的な首の痛みや肩こりには、血行不良が大きく関わっています。このような症状には、血行促進成分が配合された塗り薬も有効です。

例えば、ビタミンE誘導体（トコフェロール酢酸エステル）やサリチル酸メチルなどが配合された塗り薬は、患部の血行を促進し、滞った血液の流れを改善します。これにより、筋肉に溜まった疲労物質の排出が促され、酸素や栄養が供給されやすくなることで、筋肉の柔軟性が回復し、痛みの緩和につながります。

これらの塗り薬は、マッサージと組み合わせることで、さらに血行促進効果を高めることが期待できます。入浴後など、体が温まっている時に使用すると、より効果を感じやすいでしょう。

4. あなたに合う首の痛み市販薬の選び方

首の痛みに効果的な市販薬は多種多様です。ご自身の症状や体質、ライフスタイルに合わせて最適な薬を選ぶことが、痛みを和らげるための重要なポイントになります。ここでは、症状のタイプや薬の剤形に着目した選び方について詳しく解説いたします。

4.1 症状別 おすすめの市販薬

首の痛みと一口に言っても、その原因や痛みの性質は様々です。ご自身の症状に合った成分や作用を持つ市販薬を選ぶことで、より効果的な痛みの緩和が期待できます。

4.1.1 急な寝違えにはこの市販薬

突然の寝違えによる首の痛みは、炎症を伴う急性の痛みであることが多いです。このような場合には、炎症を抑え、痛みを速やかに鎮める効果のある成分を選ぶことが大切です。

• 内服薬の場合 痛みの原因となる炎症を抑える「ロキソプロフェンナトリウム水和物」や「イブプロフェン」といった非ステロイド性消炎鎮痛成分が配合された飲み薬が適しています。これらの成分は、痛みの伝達物質の生成を抑えることで、つらい痛みを和らげます。
• 外用薬の場合 患部に直接作用する「インドメタシン」や「フェルビナク」、「ロキソプロフェンナトリウム水和物」が配合された湿布やゲルタイプの塗り薬も効果的です。これらは局所的な炎症を抑え、痛みを軽減するのに役立ちます。冷感タイプを選ぶと、患部の熱感を和らげ、よりすっきりとした使用感が得られるでしょう。

4.1.2 慢性的な肩こりにはこの市販薬

長期間続く肩こりからくる首の痛みは、筋肉の緊張や血行不良が主な原因であることが多いです。このタイプの痛みには、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する成分が配合された市販薬がおすすめです。

• 内服薬の場合 筋肉の緊張を緩和する「メトカルバモール」などの筋肉弛緩成分や、神経の働きを助け、血行を改善する「フルスルチアミン（ビタミンB1誘導体）」、「ビタミンB6」、「ビタミンB12」、「ビタミンE」といったビタミン群が配合された飲み薬が良いでしょう。これらは、体の内側から筋肉のこわばりをほぐし、血の巡りを良くすることで、慢性的な痛みを和らげます。
• 外用薬の場合 温感タイプの湿布や塗り薬が効果的です。「カプサイシン」や「ノニル酸ワニリルアミド」といった温感成分が配合されたものは、患部を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。また、「サリチル酸メチル」や「ニコチン酸ベンジル」などの血行促進成分が配合された塗り薬も、マッサージと併用することで、より効果的に作用するでしょう。

4.1.3 胃に負担をかけたくない場合の選び方

胃が弱い方や、過去に胃の不調を経験したことがある方は、胃に負担をかけにくい市販薬を選ぶことが重要です。特に内服薬を選ぶ際には注意が必要です。

• 内服薬の場合 非ステロイド性消炎鎮痛成分（ロキソプロフェン、イブプロフェンなど）は、胃に負担をかける可能性があるため、胃に優しいとされる「アセトアミノフェン」単独配合の飲み薬を検討してください。アセトアミノフェンは、解熱鎮痛作用を持ちながらも、胃への影響が比較的少ないとされています。
• 外用薬の場合 内服薬に比べて、湿布や塗り薬などの外用薬は、患部に直接作用するため、全身への影響、特に胃への負担がほとんどありません。そのため、胃の不調が気になる場合には、外用薬を積極的に活用することが賢明な選択と言えます。様々な種類の湿布や塗り薬がありますので、ご自身の症状や使用感の好みに合わせて選んでみてください。

4.2 市販薬の剤形による選び方

市販薬には、飲み薬、湿布、塗り薬など様々な剤形があります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の痛みの種類やライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

4.2.1 飲み薬と湿布 どちらを選ぶべきか

飲み薬と湿布は、それぞれ異なる特性を持っています。ご自身の痛みの状態や、どのような効果を期待するかによって、適切な剤形を選ぶことが重要です。

剤形	特徴	適している場合	注意点
飲み薬（内服薬）	全身に作用し、広範囲の痛みや体の深部の痛みに効果を発揮します。痛みの原因に内側からアプローチします。	広範囲の痛みや、深部の痛みがある場合 即効性を求める場合 炎症を伴う痛みに	胃腸への負担や、眠気などの全身性の副作用が現れる可能性があります。 他の薬との併用には注意が必要です。
湿布（外用薬）	患部に直接貼ることで、局所的に成分が浸透し作用します。全身への影響が少なく、手軽に使用できます。	痛む箇所が明確な場合 炎症を伴う痛みに 飲み薬の副作用が気になる場合	皮膚のかぶれやかゆみなどの皮膚症状が現れることがあります。 広範囲の痛みには不向きな場合があります。

急性の強い痛みや広範囲の痛みには飲み薬が、患部がはっきりしている痛みや炎症には湿布が効果的です。症状によっては、両方を併用することで、より高い効果が期待できることもあります。

4.2.2 塗り薬やテープ剤の活用

湿布以外にも、塗り薬（ゲル、クリーム）やテープ剤といった外用薬があります。これらも、ご自身の状況に合わせて上手に活用することで、痛みの緩和に役立ちます。

• 塗り薬（ゲル、クリーム） 患部に直接塗布するタイプで、マッサージしながら塗り込むことで、血行促進効果も期待できます。関節の周りや首の付け根など、湿布が貼りにくい部位にも塗りやすく、使用後のべたつきが少ないものも多いです。ただし、塗布の手間がかかることや、衣服に付着する可能性がある点には注意が必要です。
• テープ剤 薄くて伸縮性があり、貼っていることが目立ちにくいのが特徴です。衣服の下に貼ってもゴワつきが少なく、日常生活での動きを妨げにくい利点があります。湿布と同様に、局所的に成分が浸透し、痛みを和らげます。ただし、皮膚が敏感な方はかぶれやすい場合があるため、パッチテストなどで確認してから使用すると良いでしょう。

これらの剤形は、ライフスタイルや痛む部位、使用感の好みに合わせて選ぶことが大切です。例えば、仕事中に目立たせたくない場合はテープ剤、お風呂上がりにマッサージを兼ねてケアしたい場合は塗り薬といった使い分けが可能です。

5. 市販薬を使う上での注意点と副作用

首の痛みを和らげるために市販薬はとても便利ですが、正しく使うことが大切です。誤った使い方をすると、効果が得られないばかりか、かえって体調を崩してしまうこともあります。ここでは、市販薬を使用する上での大切な注意点や、もしもの時に知っておきたい副作用について詳しく解説します。

5.1 服用期間の目安と過剰な使用を避ける

市販薬は、あくまでも一時的な症状の緩和を目的としています。漫然と長期間使用することは避け、用法・用量を守って正しくお使いください。製品の添付文書には、それぞれ推奨される服用期間や使用回数が明記されていますので、必ず確認してください。

一般的に、市販の鎮痛消炎剤は、5～6日程度使用しても症状が改善しない場合や、かえって悪化する場合には、使用を中止し、専門家へ相談することが推奨されています。痛みが続く場合は、市販薬では対処できない根本的な原因が隠れている可能性も考えられます。

過剰な使用は、胃腸障害や肝機能障害、腎機能障害などの副作用のリスクを高めることになります。また、痛みを感じにくくなることで、体の異常を見過ごしてしまう可能性もありますので、注意が必要です。

5.2 他の薬との併用やアレルギー反応

市販薬を使用する際は、現在服用している他の薬やサプリメントとの飲み合わせに十分注意してください。特に、複数の市販薬を同時に使用する場合や、医療機関で処方された薬を服用している場合は、予期せぬ相互作用や副作用が生じる可能性があります。

5.2.1 他の薬との併用について

市販薬の中には、同じような成分が含まれているものがあります。例えば、風邪薬と鎮痛剤を併用すると、知らず知らずのうちに同じ鎮痛成分を過剰に摂取してしまうことがあります。これにより、副作用のリスクが高まる場合があります。

また、医療機関で処方されている薬、特に血液をサラサラにする薬（抗凝固剤）や糖尿病の薬、胃の薬などは、市販の鎮痛消炎剤と相互作用を起こすことがあります。心配な場合は、必ず薬剤師や登録販売者に相談してください。現在服用しているすべての薬を伝え、安全に併用できるかを確認することが大切です。

併用注意の種類	注意すべき点
他の市販薬	同じ鎮痛成分や解熱成分が重複し、過剰摂取になる可能性があります。風邪薬や乗り物酔い薬にも鎮痛成分が含まれることがありますので、成分表示をよく確認してください。
医療機関で処方された薬	血液をサラサラにする薬や糖尿病の薬、胃の薬など、市販薬との飲み合わせで効果が強まったり、副作用が出やすくなったりする場合があります。必ず薬剤師や登録販売者に相談してください。
サプリメント・健康食品	一部の成分が市販薬の効果に影響を与えたり、予期せぬ体調変化を引き起こしたりする可能性もゼロではありません。念のため、相談窓口で確認することをおすすめします。

5.2.2 アレルギー反応について

過去に薬でアレルギー反応を起こした経験がある方は、特に注意が必要です。市販薬を使用する前に、必ず成分表示を確認し、過去にアレルギーの原因となった成分が含まれていないかを確認してください。

もし、市販薬の使用中に、発疹、かゆみ、赤み、腫れ、息苦しさ、めまいなどのアレルギー症状が出た場合は、直ちに使用を中止し、すぐに専門家へ相談してください。症状が軽い場合でも、自己判断せずに適切な対処をすることが重要です。

5.3 病院を受診すべき首の痛みとは

市販薬は軽度な首の痛みの緩和に有効ですが、すべての首の痛みに対応できるわけではありません。以下のような症状が見られる場合は、市販薬での対処を続けずに、速やかに専門家による適切な診断を受けることを強くおすすめします。

症状	考えられる状態（示唆されること）
強いしびれや麻痺（腕、手、指など）	神経が圧迫されている可能性があります。放置すると症状が悪化することもあります。
発熱や頭痛、吐き気を伴う首の痛み	感染症や炎症、他の病気が原因である可能性が考えられます。
外傷後に発生した首の痛み	転倒や事故など、外傷が原因で骨や軟部組織に損傷がある可能性があります。
痛みがどんどん悪化する、または長期間（5～6日以上）改善しない	慢性的な疾患や、市販薬では対処できないより深刻な状態の可能性があります。
めまいやふらつきを伴う首の痛み	首の血管や神経に問題がある可能性や、他の病気が原因である可能性も考えられます。
特定の姿勢で激痛が走る、または首を動かせない	首の構造に何らかの異常がある可能性があります。
感覚異常（触覚、温冷覚の鈍化など）	神経に影響が出ている可能性があります。
体重減少や食欲不振など、全身症状を伴う	首の痛み以外の全身的な病気が隠れている可能性も考慮すべきです。
日常生活に大きな支障をきたすほどの痛み	早急に専門家による診断と治療が必要です。

これらの症状は、首の痛みの原因が単なる筋肉疲労や軽い炎症ではないことを示している場合があります。適切な診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期の回復につながります。自己判断せずに、体の声に耳を傾け、必要に応じて専門家を頼るようにしてください。

6. まとめ

首の痛みは、日常生活の質を大きく低下させてしまうことがあります。しかし、ご自身の首の痛みの原因や症状を正しく理解し、適切な市販薬を選ぶことで、つらい痛みを和らげることが可能です。

内服薬には、痛みの原因となる炎症を抑える「鎮痛成分」や、こり固まった筋肉をほぐす「筋肉の緊張を和らげる成分」、血行を促進する成分などが配合されています。一方、湿布や塗り薬といった外用薬は、患部に直接作用し、消炎鎮痛効果を発揮します。急な寝違えには冷感タイプ、慢性的な肩こりには温感タイプなど、症状や好みに合わせて使い分けることが大切です。

市販薬を選ぶ際には、ご自身の症状だけでなく、胃への負担を考慮したり、飲み薬と外用薬のどちらが使いやすいかといった点も踏まえて選ぶと良いでしょう。

ただし、市販薬はあくまで一時的な症状緩和を目的としたものです。用法・用量を守り、長期間の使用は避け、もし症状が改善しない場合や、悪化する、手足のしびれや発熱を伴うといった場合は、迷わず医療機関を受診してください。

ご自身の判断が難しい場合や、どの市販薬を選べば良いか分からない場合は、薬剤師や登録販売者にご相談いただくことも有効な選択肢です。

何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。